就労支援を受けるために必要な受給者証とは?対象者や手続きの流れを解説
就労移行支援、就労継続支援など、「就労支援」というサービスを利用するには、「障害福祉サービス受給者証」が必要です。
受給者証は自治体に申請して審査され、自治体から交付されるもので、就労支援を利用する際には必ず持っていなくてはなりません。
この記事では、受給者証の対象者や手続きの流れなどをお伝えします。
就労支援を受けるには「受給者証」が必要

就労支援を受けるために必要な受給者証について、以下4つのポイントをまとめました。
- 受給者証とは
- 受給者証が必要な就労支援の種類
- 就労支援で受給者証が必要な理由
- 受給者証を取得できる対象者
以下から、それぞれ詳しく解説します。
受給者証とは
一般的に「受給者証」と呼ばれる「障害福祉サービス受給者証」とは、就労支援などの障害福祉サービスを利用するために必要となるものです。
受給者証は、障害福祉サービスを正式に利用できる資格を示すもので、申請・審査を経て市区町村が交付します。
受給者証には、氏名・住所・生年月日・障害支援区分などの基本情報に加えて、中面には利用期間・負担上限額・支給時間数・事業者名など、サービス利用に関する詳細が記載されます。
就労支援事業所と契約を結ぶ際には、受給者証がなければサービスを受けることはできません。
受給者証が必要な就労支援の種類
障害福祉サービス受給者証が必要な就労支援は、以下の4つです。
- 就労移行支援
- 就労継続支援(A型・B型)
- 就労定着支援
- 就労選択支援
特に「就労選択支援」は、今後どの支援サービスを利用すべきか迷っている方を対象に、専門職がアセスメントや相談支援を行う制度です。
厚生労働省が2025年10月から新設したサービスです。
障害者本人が就労先・働き方についてより良い選択ができるよう、就労アセスメントの手法を活用して、本人の希望、就労能力や適性等に合った選択を支援する就労選択支援を創設する。(令和7年10月1日施行)
引用元: 厚生労働省「就労選択支援について」
就労支援で受給者証が必要な理由
就労支援を利用する時に、受給者証が必要な理由は、適切な支援を受けるための正式な資格を証明するためです。
受給者証は、自治体が本人の障害の程度や生活の実情などを把握した上で、どの支援をどの条件で受けられるかを決定したことを証明するものです。
受給者証を持っていることで、国や自治体の補助を受けながらサービスの負担を軽減して利用できるようになります。
つまり、受給者証は公的支援の対象であることを示す正式な証明書なのです。
受給者証を取得できる対象者
障害福祉サービス受給者証を取得できる対象者は、「障害者総合支援法」に基づいた以下の方です。
- 身体障害者
- 知的障害者
- 精神障害者(発達障害者を含む)
- 難病などにより生活に支障がある方(政令で定められた疾病に限る)
また、原則として18歳以上が対象です。
障害者手帳を持っていなくても、医師の診断書や意見書を提出すれば、認定される場合があります。
就労支援を受けるための受給者証の申請手続きの流れ

就労支援を受けるための受給者証の申請手続きの流れは、以下の通りです。
- 自治体の障害福祉課に相談
- 申請時に必要な書類の記入・提出
- 自治体による調査・面談
- 障害支援区分認定
- サービス等利用計画案の作成
- 受給者証の暫定受給
- 受給者証の支給決定・交付
以下から、順を追って解説します。
1:自治体の障害福祉課に相談
まず、お住まいの市区町村役所にある障害福祉課で相談します。
利用を希望する支援内容を伝えると、職員から制度の概要や必要書類、手続きの流れについて説明を受けられます。
電話やメールで事前予約が必要な自治体もあるため、訪問前に確認するとスムーズです。
支援内容や利用できるサービスについて、職員の説明を聞きながら理解を深めましょう。
2:申請時に必要な書類の記入・提出
役所の職員に聞きながら、申請書類に記入し、障害福祉課の窓口に必要書類を提出します。
必要な書類とは、一般的に以下のものです。
- 障害者手帳または医師の意見書
- 自立支援医療受給者証
- マイナンバーカード
- 印鑑など
自治体によっては、収入を確認できるものなど、必要書類が異なる場合があるため、事前に確認しておくことをおすすめします。
提出時に、何かわからないことがあれば、窓口の職員に確認しながら進めると安心です。
3:自治体による調査・面談
申請後1〜2週間ほどで、自治体の担当職員によるヒアリングや認定調査が行われます。
認定調査は、本人の心身の状態や生活状況、支援の必要度などを確認し、何が適切な支援か決めていくものです。
面談は、役所・自宅・事業所などで実施されます。
4:障害支援区分認定
調査や面談の結果をもとに、国の基準に沿って「障害支援区分認定」が決定します。
この区分は、利用できるサービス内容や時間数を決めるための重要な基準です。
5:サービス等利用計画案の作成
認定が下りると、相談支援専門員が本人や家族と面談をし、「サービス等利用計画案」を作成します。
サービス等利用計画案は、相談支援専門員が利用者の心身の状態や生活状況を聞き取り、利用者のニーズや今後の目標などをもとに、本人と相談しながら今後受ける支援内容をまとめたものです。
出来上がったサービス等利用計画案をもう一度確認して、署名捺印して提出します。
6:受給者証の暫定受給
サービス等利用計画案を提出すると、自治体によって異なるものの、1〜2週間程度で、暫定の受給者証が交付されます。
暫定受給者証の有効期限は2ヶ月ほどです。
暫定受給期間中は、事業所が一定の支援を実施し、自治体や相談支援専門員が計画案の妥当性を確認します。
もしサービスが合わなかったり、追加の支援が必要になったりした場合には、計画案の見直しも可能です。
この間に相談支援事業所が、利用計画案に基づいた「個別支援計画」を作成し、自治体に提出します。
7:受給者証の支給決定・交付
すべての審査が完了すると、正式に障害福祉サービスの支給が決定し、支給決定通知書と受給者証が発行されます。
交付までの期間は、申請からおよそ1か月〜1か月半が目安です。
この受給者証を持って就労支援事業所に行き、正式に利用契約を結びます。
受給者証を使って就労支援を受けるまでの流れ

受給者証を使って、就労支援を受けるまでの流れは、以下の通りです。
- 自分に合った事業所を探す
- いくつか見学・体験利用してみる
- 受給者証の申請・交付
- 事業所との利用契約・サービス利用開始
以下から、一つひとつ順を追って解説します。
1:自分に合った事業所を探す
まず、インターネットなどで、どういう就労支援があって、自分にはどこが合っているのか、いろいろ調べてみましょう。
自分で探すのが難しければ、地域活動支援センターや障害者就業・生活支援センターなどに行って聞いてみるのもおすすめです。
その際、なるべく自宅から1時間以内で行けるところを探しましょう。
通所が大変だと、途中で通えなくなる可能性が高くなります。
通勤訓練にもなりますので、近すぎず、遠すぎない場所がおすすめです。
2:いくつか見学・体験利用してみる
自分に合いそうな事業所がいくつか見つかったら、見学・体験利用してみることをおすすめします。
雰囲気や支援内容、事業所内の人間関係など、実際に行ってみないとわからないことが多いからです。
また、事業所による違いを確認するため、複数の事業所を見学・体験利用してみると良いでしょう。
3:受給者証の申請・交付
通いたい事業所が決まったら、受給者証の申請をします。
前項で説明した申請手続きを経て、受給者証が交付されます。
4:事業所との利用契約・サービス利用開始
受給者証が交付されたら、受給者証を持って利用したい事業所に行き、正式に利用契約を結びます。
利用契約を結んだ日から、サービスを利用開始することができます。
実際に就労支援を受けた方の声

ここでは、実際に就労支援を受けた方の事例を2つ紹介します。
- Aさん
- Bさん
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
Aさん
Aさんは、体力的に通所や作業に不安を抱えていたため、最初は週3日通所からスタートしました。
通所日を段階的に増やしながら、訓練を重ね、皆勤を目指せるまでになりました。
パソコン(Word/Excel)やデータ入力・検索修正の講座にも熱心に参加し、「障がいだからできない」ではなく「どうすればできるか」を常に考える姿勢を身につけたといいます。
企業見学や作業訓練を通じて、実際の事務補助職(書類整理・データ入力)へ就職という目標を達成することができました。
Bさん
Bさんは、コミュニケーションが苦手という課題を抱えていましたが、サンヴィレッジでの講座や訓練を通して、自分から発言したり意見を言ったりできるようになりました。
生活リズムも整い、通所日数を徐々に増やして規則正しい毎日が可能になったといいます。
実習では、雑貨ショップスタッフとして「品出し・整理・接客・清掃」などを体験しました。
また、面接時には志望動機や自己PRの書き方・伝え方も支援員のサポートを受けて準備した結果、実習先での採用が決まり、就職に至ったのです。
就労支援の受給者証に関するよくある質問

ここでは、就労支援の受給者証に関するよくある質問にお答えします。
- 受給者証について相談したい時はどこに行ったらいいですか?
- 障害者手帳がなくても受給者証を申請できますか?
- 他の市区町村に引っ越す場合はどうなりますか?
- 家族や職場に知られずに申請することはできますか?
- 受給者証の有効期限はどのくらいですか?
それぞれの質問について、詳しく解答していきます。
受給者証について相談したい時はどこに行ったらいいですか?
受給者証について相談したい時には、以下のような相談先があります。
- 自治体(市区町村)の障害福祉担当窓口
- ハローワークの障害者専用窓口
- 障害者就業・生活支援センター
- 地域活動支援センター
- 相談支援事業所
行きやすいのは自治体の窓口です。
障害者就業・生活支援センターや地域活動支援センターを紹介してもらうことも可能です。
また、もしインターネットなどで利用したい事業所が見つかったら、その事業所のスタッフに相談するという方法もあります。
障害者手帳がなくても受給者証を申請できますか?
障害者手帳がなくても、自立支援医療受給者証や医師の意見書などで代用できる場合があります。
まず主治医や自治体の障害福祉担当窓口に相談してみましょう。
他の市区町村に引っ越す場合はどうなりますか?
現在住んでいる自治体から他の市区町村に引っ越すと、これまで使っていた障害福祉サービス受給者証は無効になってしまいます。
そのため、引っ越し先の自治体で新たに申請手続きを行うことが必要です。
手続きの際は、転入先の役所にある障害福祉課へ相談し、必要書類をそろえて申請します。
以前と同じサービスを利用する場合でも、自治体によって審査内容や支給決定までの期間が異なるため、転居前に早めに連絡しておくことが大切です。
また、引っ越しの時期にサービス利用が中断しないよう、事前に事業所や相談支援専門員とも調整しておくと安心です。
家族や職場に知られずに申請することはできますか?
障害福祉サービス受給者証の申請は、基本的に本人の意思で行える手続きです。
そのため、家族や勤務先に通知がいくことはありません。
自治体が申請内容を第三者に伝えることはなく、個人情報として厳重に扱われるため安心です。
ただし、申請時に収入や生活状況の確認が必要な場合は、課税証明書や世帯に関する書類の提出を求められることがあります。
このとき同一世帯の家族に確認が入る可能性もあるため、完全に知られずに進めるのは難しいケースもあります。
どうしても家族に知られたくない場合は、事前に窓口で事情を相談しておくと、柔軟に対応してもらえる可能性が高いです。
受給者証の有効期限はどのくらいですか?
障害福祉サービス受給者証の有効期間は、原則として1年間です。
期限が近づくと、自治体から更新案内が届くか、利用者自身が更新手続きを行う流れになります。
更新では、心身の状態や生活環境に変化がないかを確認し、必要に応じてサービス内容を見直します。
もし支援区分や利用計画に変更がある場合は、新しい計画書を再提出することも可能です。
更新を忘れるとサービスが一時的に利用できなくなる可能性があるため、期限前に相談支援事業所と連携して準備を進めることが重要です。
就労支援を受けるための第一歩は受給者証の取得から

就労支援を受けて「働く準備を整える」ためには、まず 障害福祉サービス受給者証 を取得することが欠かせません。
受給者証は、公的な支援制度を安心して利用するためのスタートラインとなる大切な証明書です。
「一人で就職活動を進めることに不安がある」「生活リズムを整えながら働く準備をしたい」「自分に合う仕事や働き方を見つけたい」と感じているなら、専門のサポートを受けることで道が大きく開けます。
兵庫県神戸市・埼玉県川口市・東京都文京区の方は、ぜひ一度「サンヴィレッジ」にご相談ください。
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「働きたい」という気持ちが少しでも持っている方は、まずはお気軽にご相談ください。




