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障害年金がもらえない人の主な原因10選丨不支給になったときの対処法も解説

障害年金がもらえない人に共通する10の原因は、初診日の証明が難しいことや保険料納付要件の未充足、障害の程度が基準に届かないこと、申請書類の内容不備や矛盾などです。不支給になっても審査請求や再申請によって受給につながる可能性があります。

障害年金の申請を考えているものの「自分は本当にもらえるのか」と不安を抱えている方は少なくありません。実際に申請しても不支給と判断されることがあり、その結果を目の当たりにして申請自体をためらう方もいます。

ただし、不支給になる理由を前もって理解しておけば、あらかじめつまずきやすいポイントに備えることができます。

この記事では、障害年金がもらえない人に共通する主な10の原因と、不支給になった場合にとるべき具体的な対処法についてわかりやすく解説します。

障害年金がもらえない人によくある理由

障害年金の申請が通らない背景には、いくつか共通するパターンがあります。
ここでは、不支給となる主な10の理由について順番に解説します。

初診日を特定・証明できない

初診日の特定は、障害年金申請において最も重要な要素です。

初診日とは、障害の原因となった傷病について初めて医師の診察を受けた日を指します。この初診日を証明できない場合は、障害年金を原則として受給できません。

初診日の証明が困難になるケースとして、初診を受けた医療機関が既に閉院している場合や、カルテの保存期間である5年を過ぎて破棄されている場合、複数の医療機関を受診してどこが初診だったのかが不明確になっている場合などが挙げられます。

とくに精神疾患では、最初は内科を受診し、その後に専門科へ転院することも多く、真の初診日を特定する作業が複雑になりやすいです。

初診日を証明するためには「受診状況等証明書」が必要ですが、取得が難しい場合でも診察券や領収書、家計簿の記録など、間接的な証拠資料を複数組み合わせることで証明できる可能性があります。

また、2番目以降に受診した医療機関の医師に、初診の時期について参考意見を記載してもらう方法もあります。初診日の特定に不安がある方は、早めに社会保険労務士などの専門家に相談することをおすすめします。

初診日から1年6か月経過していない

障害年金を受給するためには、原則として「障害認定日」における障害の状態が認定基準に該当している必要があります。障害認定日とは、初診日から1年6か月を経過した日と定義されており、この期間が経過していない段階では原則として申請できません。

ただし、例外もあります。

人工透析開始から3か月
心臓ペースメーカー装着日
人工肛門造設から6か月
人工骨頭や人工関節の挿入日
手足の切断日
喉頭の全摘出日
在宅酸素療法開始日

これらは、1年6か月を待たずに障害認定日として認められます。

また、脳血管障害による機能障害では、初診日から6か月経過後に医学的観点から症状固定が認められれば、その時点を障害認定日として扱うことがあります。

自分の傷病がこれらの例外に該当するかどうかは、主治医や年金事務所に確認しておくことが重要です。

出典:日本年金機構「障害年金のご案内」(https://www.nenkin.go.jp/service/pamphlet/kyufu.files/2-8.pdf)

障害の程度や等級が認定基準に達していない

障害年金が支給されるかどうかは、障害の程度が法律で定められた認定基準に達しているかどうかで判断されます。障害基礎年金は「1級または2級」、障害厚生年金は「1級から3級」のいずれかに該当する必要があります。

大切な点は、等級が病名だけで決まるのではなく、日常生活や就労にどの程度の制限が生じているか、という視点で評価されることです。

1級:他人の介助がなければ日常生活のほとんどを送れない程度
2級:日常生活に著しい制限が生じている程度
3級:労働に著しい制限が生じている程度

自分の状態がどの段階に近いのかを意識しながら確認すると、状況を整理しやすくなります。

精神疾患や内部疾患では、診断書に記載される日常生活の状況がとくに重要な判断材料になります。食事の準備、服薬の管理、金銭管理、対人関係など、具体的な生活場面でどのような困難があるかが評価されます。

医師は診察室での様子しか把握しにくいため、家での困りごとを具体的に伝え、日常生活の実態を診断書に正確に反映してもらうことが大切です。

出典:日本年金機構「障害等級表」(https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/shougainenkin/ninteikijun/tokyuhyo.html)

傷病が障害年金の対象外である

障害年金は、ほぼすべての傷病が対象になりますが、神経症と人格障害は原則として対象外とされています。
パニック障害
適応障害
不安障害
強迫性障害
境界性人格障害
などがこれに当たります。

ただし神経症であっても「臨床症状から判断して精神病の病態を示しているもの」は、統合失調症や気分障害に準じて扱われます。診断名がパニック障害であっても、実際の症状としてうつ病などの精神病性症状が現れていれば、対象となる可能性があるのです。

また、当初は神経症と診断されていても、病状の進行にともなって後にうつ病や双極性障害へ診断が変更されることもあります。

現在、神経症や人格障害と診断されている方は、今の症状について主治医と詳しく話し合い、ほかの精神疾患を併発していないか、現在の診断が症状を十分に反映しているかどうかを確認することが重要です。

精神疾患の診断名は医師によって判断が分かれることもあるため、セカンドオピニオンとして、別の医療機関の意見を参考にすることもひとつの選択肢です。ただし精神科医療では、主治医との信頼関係や治療の継続性が重要であるため、受診の際には慎重な判断が必要です。

申請書類の内容が薄い・矛盾している

障害年金の審査では、提出された書類の内容が総合的に判断されます。書類同士の記載に矛盾があったり、説明が不十分だったりすると、不支給の原因になることがあります。

なかでも重要なのが、診断書と病歴・就労状況等申立書の内容がそろっているかどうかです。

診断書:医師が医学的な視点から作成
申立書:本人や家族が、発病から現在までの経過や日常生活での困難さを自分の言葉で記載

この2つの内容が食い違っていると、審査側が状態を正しく把握しにくくなり、不支給となる可能性が高まります。
たとえば、診断書に「日常生活に著しい制限」と書かれているのに、申立書には「一人で買い物に行ける」と記載されているような矛盾は避ける必要があります。

診断書を作成してもらう際には「入浴は週に1回しかできない」「食事は家族が準備しないと食べられない」「服薬を頻繁に忘れてしまう」など、具体的なエピソードを挙げて医師に説明することが大切です。

申立書を書くときは、診断書の内容を確認しながら、矛盾が生じないように記載します。
診断書で「できる」と評価されている行為であっても、実際には家族の援助があってようやく成り立っている場合には、その援助の具体的な内容を申立書に詳しく書き、日常生活の実態が正しく伝わるようにしましょう。

保険料納付要件を満たしていない

障害年金を受給するためには、一定期間以上の年金保険料を納付していることが条件になります。この「保険料納付要件」を満たしていない場合は、どれほど障害が重くても障害年金は支給されません。

原則として、初診日の前日において、初診日のある月の前々月までの被保険者期間のうち3分の2以上の期間で保険料を納付または免除されている必要があります。

たとえば、20歳から30歳までの10年間が被保険者期間で、30歳のときに初診日がある場合、そのうち6年8か月以上は保険料を納付しているか、免除を受けている必要があります。

また特例として、令和8年3月末日までに初診日があり、初診日の時点で65歳未満の場合、直近1年間に未納がなければ要件を満たします。原則の3分の2要件を満たしていなくても、直近1年間の保険料をしっかり納付していれば救済される仕組みです。

ここで重要なのが「免除」と「未納」はまったく意味が異なるという点です。
経済的な事情などで保険料を払えない場合でも、免除申請をして認められれば、その期間は納付済み期間として扱われます。

しかし、未納のまま放置している期間はカウントされません。
過去に未納期間がある場合でも、あとから納付できる「追納」という制度がありますが、追納できるのは過去10年分までであり、初診日より前に納付を済ませておく必要があります。

なお20歳前に初診日がある場合は、そもそも年金制度への加入前のため、保険料納付要件は問われません。

出典:日本年金機構「障害年金制度について」(https://www.nenkin.go.jp/service/pamphlet/kyufu.files/04.pdf)
出典:日本年金機構「障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額」(https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/shougainenkin/jukyu-yoken/20150514.html)

「20歳前傷病」で年収が一定以上ある

20歳前に初診日がある傷病による障害基礎年金には、所得制限があります。
20歳前は年金保険料を納付していないため、一定以上の所得があると年金の支給額が制限される仕組みになっています。

令和7年度の基準では、前年所得が3,761,000円を超えると年金額の2分の1が支給停止となり、4,794,000円を超えると全額支給停止となります。

この基準額は扶養親族の人数に応じて加算され、支給停止は毎年10月から翌年9月までの1年間にわたって適用されます。なお、20歳以降の初診日に基づく通常の障害年金には所得制限は設けられていません。

出典:日本年金機構「20歳前の傷病による障害基礎年金にかかる支給制限等」(https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/shougainenkin/jukyu-yoken/20200805.html)

20歳未満の人・65歳以上の人

障害基礎年金は、原則として20歳以上でなければ受給できません。これは、国民年金の加入義務が20歳から始まるためです。
ただし、厚生年金に加入して働いている10代の方は、障害基礎年金ではなく障害厚生年金の対象になります。

65歳以上の方は、障害年金を新たに申請することは原則できません。
正確には、65歳の誕生日の前々日までに申請を済ませておく必要があります。これは、65歳になると老齢年金の受給権が発生するためです。

ただし、初診日が65歳より前で、障害認定日の時点で等級に該当していた場合には、65歳を過ぎていても遡及(そきゅう)請求が可能であり、過去5年分までさかのぼって受け取ることができます。

出典:日本年金機構「障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額」(https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/shougainenkin/jukyu-yoken/20150514.html)

老齢年金を繰上げ受給している

老齢年金を繰上げ受給すると、65歳に達したとみなされ、それ以降は事後重症による障害年金の請求ができなくなります。事後重症とは、障害認定日の時点では等級に該当していなかったものの、その後に状態が悪化して基準に達した場合に利用できる制度です。

老齢年金を繰上げ受給したあとに、病気やけがをしても事後重症請求は行えず、実質的に新たに障害年金を受給する道が閉ざされます。

ただし障害認定日請求については、繰上げ受給後であっても可能な場合があります。
繰上げ請求日より前に障害認定日があり、その時点で等級に該当していれば、遡及請求によって受給できる可能性があります。

出典:日本年金機構「老齢年金の繰上げ請求についてのご確認」(https://www.nenkin.go.jp/shinsei/jukyu/rourei/kuriageseikyusho.files/kakunin.pdf)

更新時に基準を外れたと判断された

障害年金は、一度認定されても永久に保障されるわけではありません。
多くのケースでは有期認定となり、1年から5年ごとに更新が必要です。更新の際には「障害状態確認届」を提出し、現在の状態を報告します。

更新審査で障害の程度が軽くなったと判断されると、等級が下がったり支給停止になることがあります。治療によって症状が改善した場合や、リハビリで日常生活の能力が向上した場合、就労状況が改善して安定して働けるようになった場合などが代表的なケースです。

とくに精神疾患では就労状況が重要なポイントになりますが、働いている事実だけで直ちに等級が下がるわけではありません。

障害者雇用で働いていることや、職場で配慮を受けていること、短時間勤務であることなど就労に制限がある状況を診断書に具体的に記載してもらうことが大切です。

障害年金が不支給・却下になった場合の対処法

不支給や却下という結果になっても、諦める必要はありません。
適切な対処を行えば、受給につながる可能性は十分に残されています。

まずは不支給・却下の理由を確認しよう

申請が不支給や却下になった場合は、日本年金機構から「不支給決定通知書」または「却下通知書」が送付されます。

この通知書には、なぜ不支給、または却下となったのかという理由が記載されているため、まずはその内容を正確に読み取り、状況を把握することが大切です。 

主な理由としては、
初診日が特定または証明できなかった
保険料納付要件を満たしていなかった
障害の程度が認定基準に達していないと判断された
提出書類に不備があった
などが挙げられます。

原因によって今後取るべき対応は変わるため、通知書に書かれた理由を整理してから次の一歩を考える必要があります。

記載内容の意味がわかりにくい場合は、年金事務所に相談して説明を受けましょう。

不支給・却下になったときの対処法

不支給や却下の理由が分かったら、その内容に応じて具体的な対処法を検討しましょう。
主な選択肢は、審査請求や再審査請求を行う方法と、改めて再申請をする方法の2つです。

審査請求・再審査請求

審査請求とは、不支給や却下の決定に不服がある場合に、その決定の取り消しを求める手続きです。社会保険審査官に対して行い、期限は決定を知った日の翌日から3か月以内と定められています。

審査請求書には、不服の理由を具体的に記載します。単に「納得できない」と書くのではなく、なぜその決定が誤りだと考えるのかを根拠とともに説明することが重要です。

審査請求の決定にもなお不服がある場合は、社会保険審査会に再審査請求を行うことができ、期限は審査請求決定書の謄本が送付された日の翌日から2か月以内です。

出典:日本年金機構「年金の決定に不服があるとき(審査請求)」(https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/kyotsu/fufuku/20140709.html)

再申請

再申請とは、不支給や却下となったあとに、改めて一から申請手続きをやり直すことです。期限の制限はなく、いつでも行うことができます。
診断書や病歴・就労状況等申立書などを新たに取得し、前回の問題点を踏まえて内容を改善したうえで提出します。

再申請で受給につなげるためには、前回の問題点を正確に分析して改善することが欠かせません。障害の程度が認定基準に達していないと判断された場合には、診断書の記載内容を見直します。

主治医に日常生活での具体的な困難さをより詳しく伝え、実際の状態を正確に反映してもらいましょう。申立書についても、前回より具体的でわかりやすい内容になるよう丁寧に記載することが重要です。

まとめ

障害年金は、病気や怪我で生活に制限がある方にとって生活を守る大切な制度です。この記事で紹介した10の理由を参考に、初診日の証明や保険料納付要件、障害の程度、申請書類の内容を一つひとつ丁寧に確認して準備を進めることが重要です。

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