就労移行支援、なぜ「やめとけ」?失敗しない事業所の選び方を解説!
就労移行支援を利用してみたいとは思っているものの、「やめとけ」という声があるのを知って、迷っている方も多くいます。
なぜ「就労移行支援はやめとけ」と言われてしまうのか、実際のところどうなのか、知りたいと思いませんか。
この記事では、就労移行支援が「やめとけ」と言われてしまう理由と、失敗しない事業所の選び方まで徹底解説していきます。
就労移行支援が「やめとけ」と言われてしまう6つの理由

就労移行支援には、「やめとけ」と言われてしまうのもわかる理由があります。
すべての就労移行支援事業所がそうではありませんが、以下のような事業所もあるのが事実です。
以下に、就労移行支援が「やめとけ」と言われてしまう理由を6つ挙げていきます。
- 理由1:就労移行支援に通っても就職できない可能性がある
- 理由2:環境や雰囲気の悪い事業所がある
- 理由3:障がいに対しての理解や支援が行き届いていない職員がいる
- 理由4:プログラム内容が利用者のニーズと合致していない場合がある
- 理由5:原則アルバイト禁止である
- 理由6:2年以内に就職しなければいけないと決められている
一つひとつ詳しく見ていきます。
理由1:就労移行支援に通っても就職できない可能性がある
就労移行支援は、就職を直接斡旋してくれる場所ではありません。
就職に向けての心身の準備や、就職活動のサポートをしてくれるところです。
そのため、心身の調子が整わなかったり、サポートを受けても就職活動が順調に進まなかったりして、就職できない可能性もあります。
しかし、転職エージェントなら必ず就職できるかというと、そうとも言えません。
「就職したい、自分ではフルタイムで働ける」と思っていても、医師等からフルタイムで働ける状態ではないと判断される場合もあります。
大事なのは、「本気で就職したいと思っているか」という気持ちだけでなく「働ける体調であるか、問題なく働ける日数や時間数」を理解しているかにかかっていると言えます。
理由2:環境や雰囲気の悪い事業所がある
就労移行支援事業所の中には、障がいのある方に対して、環境が整っていない事業所もあります。
たとえば、バリアフリーが徹底していなかったり、騒音がひどかったり、衛生面で気になるところがあるような事業所もあります。
また、全体的な雰囲気が悪い事業所も、ないとは言えません。
利用者同士の仲が悪かったり、利用者とスタッフの信頼関係がきちんとできていなかったりすると、おのずと雰囲気が悪くなります。
雰囲気が悪い事業所には、通っているだけでストレスになり、「もう通いたくない」「やっぱりやめとけば良かった」と思う方も出てくる可能性が高いです。
理由3:プログラム内容が利用者のニーズと合致していない場合がある
就労移行支援事業所の中には、ひたすら単調な作業をするところや、PCの入力作業だけを繰り返すところなどもあります。
単調作業が苦手など、自分のニーズと合致していないことを、毎日一日中やらされるのは、苦痛に感じられます。
一方で、単調な作業を繰り返すのが好きな方には、ビジネスやITに特化した先進的な事業所や、難しい資格取得を目指すような事業所は合わないと感じることがあります。
そのため、事業所を選ぶ時には、自分のニーズと合致しているかどうかをよく確認しましょう。
理由4:原則アルバイト禁止である
就労移行支援事業所に通所している期間は、原則としてアルバイト禁止とされています。
理由は、就労移行支援というのは「一人では就職するのが難しい方」を対象にしているため、アルバイトができるなら「就労できている」とみなされてしまうからです。
そのため、就労移行支援を利用している間は、収入がないことになります。
しかし、たいていの方は、障害年金や失業保険、傷病手当金、保険料減免などの支援を受けて、就労移行支援を利用することができています。
収入がないからという理由で、就労移行支援を諦めている方は、一度支援制度を調べてみてはいかがでしょうか。
理由5:原則2年以内に就職しなければいけないと決められている
就労移行支援の利用期間は、原則として2年と決められています。
そのため、2年以内に就職できないと、何も成果が出ないままやめることになってしまうと思う方もいます。
また、一部の人にとっては、この制限がプレッシャーになるようです。
しかし、就労移行支援で学べることはたくさんあります。
そのため、もし期限内に就職できなかったとしても、まったく無駄に終わることはありません。
また、もし2年以内に就職できなかったとしても、延長できる場合もあります。
「やめとけ」は誤解!就労移行支援を利用するメリット

就労移行支援には、利用するメリットがたくさんあります。
上記に挙げたような理由で、「やめとけ」と言われてしまうこともありますが、それは誤解です。
お金儲け目的でなく、きちんと運営されている事業所で、自分のニーズと合致しているところを選べば、ちゃんとメリットがあります。
主なメリットは、以下の4つです。
- 自己理解や障がい理解を深められる
- 専門的なスキルと知識を習得できる
- 就職活動の徹底的なサポートを受けられる
- 就職後も継続的なサポートが受けられる
それぞれを詳しく解説します。
メリット1:自己理解や障がい理解を深められる
就労移行支援では、自己理解や障がい理解を学びます。
内容は事業所によりますが、例として以下のようなカリキュラムがあります。
- エゴグラムなどによる自己分析
- 障がいの基礎知識の講義
- 自分で自分の症状や特性を書き出し、自分の取扱説明書を作る
- 合理的配慮事項の説明書を作る
自己理解や障がい理解を深めることは、自分に合った仕事や働き方を見つける上で重要です。
また、就職活動で自己PRや志望動機を書く時や、障がい者雇用で合理的配慮を求める時にも役立ちます。
就労移行支援で自己理解や障がい理解を学ぶことは、今までの自分を見つめ直し、これからの自分の生き方を決める上でも、重要なものになります。
メリット2:専門的なスキルと知識を習得できる
就労移行支援では、事業所によって、専門的なスキルや知識を学べるところがあります。
最近では、IT特化型の事業所もあり、高度なプログラミングや生成AI技術を学べる事業所もあります。
また、資格取得サポートがある事業所では、次のような制度を利用できる場合があります。
- 資格試験の補助金などの支援を受けられる
- 事業所で試験が受けられる
- 事業所に通って一定のプログラムを修了することで、資格取得できる
コミュニケーションスキルに重点を置いている事業所では、SST(ソーシャルスキルトレーニング)や、アサーション、アンガーマネジメントなどのトレーニングを受けられるところもあります。
中には、認知行動療法などを活用したセルフケアを身に着けられる事業所もあります。
自分が望む職種で必要なスキルや、自分が必要とするトレーニングを受けられる事業所を探しましょう。
メリット3:就職活動の徹底的なサポートを受けられる
就労移行支援では、就職活動を徹底的にサポートしています。
就職活動のサポートは、以下のようなものが受けられます。
- 履歴書や職務経歴書の書き方
- 面接の受け方
- ハローワークや仕事センターへの同行や窓口紹介
- 求人票の見方
- 合同面接会への同行
- 企業の採用面接への同行
職務経歴書は、一人では何を書けばいいのか迷いやすいものです。
しかし実際には、職務経歴だけでなく、自分の今までやってきたことや学んできたこと、得意なことなど、書ける内容は多くあります。
面接練習も、面接で聞かれるであろう想定問答集を作ったり、模擬面接会を行ったりしているところもあります。
なかなか就職活動に一歩を踏み出せなかった方も、就労移行支援のスタッフに適切な支援を受けることで、スムーズに就職活動を進められるようになるのです。
メリット4:就職後も継続的なサポートが受けられる
就労移行支援のメリットは、就職までではありません。
就職後も継続的なサポートが受けられるのも、大きなメリットと言えます。
転職、再就職、あるいは初めての就職では、最初は誰しも不安と緊張でいっぱいです。
業務内容が思っていたのと違うことや、人間関係に悩みを抱える可能性もあります。
そういう時に、就労移行支援のスタッフが定期的に話を聞いてくれ、時には職場訪問して内情を見極め、職場の上司や同僚との橋渡しをしてくれたら、どんなに心強いかわかりません。
こういった「定着支援」と呼ばれるサポートは、通常就職後、6ヶ月~最大3年半の期間受けることが出来ます。
「就労移行支援はやめとけ」と言われないために!失敗しない事業所選びのポイント

就労移行支援を利用する際には、事業所選びが重要です。
お金儲け目的でなく、本当に利用者のために運営されているか、自分に合った内容や雰囲気か、などいくつかポイントがあります。
以下に、主な6つのポイントをお伝えします。
- 自分の希望する職種のスキルや希望する内容を学べるか
- 自分の希望する職種や業種に就職実績があるか
- 事業所の雰囲気やスタッフの対応が安心できるか
- サイトに書いてあったことと、実際の様子に違いがないか
- 自宅から無理なく通える立地にあるか
一つひとつ見ていきましょう。
ポイント1:自分の希望する職種のスキルや希望する内容を学べるか
せっかく就労移行支援に通っても、自分が学びたい内容を学べなかったら、意味がありません。
たとえば事務職希望ならPCスキルなどが学べるか、IT系を目指すなら、IT系の資格取得サポートがあるかなど、自分の希望する職種のスキルが学べるかどうかなどが重要です。
また、コミュニケーションや心理教育に関心がある方は、SSTや認知行動療法など希望する内容がカリキュラムにあるかどうか、よく確認しましょう。
ポイント2:自分の希望する職種や業種に就職実績があるか
自分の希望する職種や業種に就職実績があるかどうかも重要なポイントです。
前歴があれば、スタッフの経験にもなっているし、その業界とコネもできています。
就職実績は、サイトに掲載していないことが多いため、見学や体験に行ったときに、スタッフに確認してみましょう。
ポイント3:事業所の雰囲気やスタッフの対応が安心できるか
事業所の雰囲気が悪かったり、スタッフの対応が悪い、あるいは気が合わなそうな事業所は、やめておいた方が無難です。
見学や体験に行った時には、以下の点を自分の感覚で判断しましょう。
- 利用者たちが楽しそうか
- 事業所の雰囲気が居心地良いか
- スタッフに何でも相談できそうな安心感があるか
スタッフと話していて、安心して自分の今の状況や悩みを話せ、それに親身になって答えてくれるようであれば、利用してもいつでも相談できると言えます。
また、体験利用した時に、他の利用者があたたかく迎え入れてくれるような事業所であれば、安心して通えます。
ポイント4:サイトに書いてあったことと、実際の様子に違いがないか
事業所のサイトには、良いことしか書いてありません。
そのため、実際に見学や体験に行った時に、サイトに書いてあることと、実際の様子に違いがないかどうかよく見てみましょう。
もし、違和感を覚えたら、サイトに虚偽の記載をしている可能性があります。
しっかりと確認しましょう。
ポイント5:自宅から無理なく通える立地にあるか
就労移行支援事業所には、最終的には週5~6日通うことになります。
そのため、自宅から無理なく通える立地にあるかどうかは、通所を続ける上で重要です。
自宅から1時間以上かかる、あるいは乗り換えが何度もあるようだと、通所が難しくなります。
体調が悪い時でも通える近さの事業所を選ぶと良いでしょう。
働きたいエリアの近くにある事業所を選ぶと通勤訓練にもなるので、そういった場所を選ぶのも良いでしょう。
就労移行支援を利用した方の口コミ・体験談

ここでは、兵庫県・埼玉県・東京都に拠点のある就労移行支援事業所サンヴィレッジを利用した方の口コミや体験談を紹介します。
Aさん
サンヴィレッジのカリキュラムで印象に残っているのは、「SST」です。
いろいろな年代や性別でこれまでの経験も違う方が集まっているので、コミュニケーションスキルがアップしました。
挨拶や勤怠の報告をきちんとするなど、社会人としてのマナーも学び、就職活動の際も何でも相談できたので、安心して就職活動ができました。
今は、ITサポートのヘルプデスク業務に就職しましたが、信頼できるスタッフさんによる定着支援があるので、安心して働き続けることができています。
Bさん
サンヴィレッジの清掃訓練でやりがいを感じ、職場実習で病院の清掃実習に行ったことで、仕事のイメージが湧き、病院総務スタッフの仕事に就きました。
あがり症で、就職活動が苦手でしたが、面接練習を何度も行ってもらい、個別で練習も受けました。
就職した企業の面接前日も、練習してアドバイスをもらったことで、しっかり意識して臨め、採用されたので、とても嬉しかったです。
「就労移行支援はやめとけ」という声に流されず、一度相談してみよう

この記事では、就労移行支援が「やめとけ」と言われてしまう理由と、失敗しない事業所の選び方を解説しました。
「やめとけ」と言われる理由はいくつかありますが、自分に合った事業所を選べば、目的を持って前向きに通所することができます。
就労移行支援事業所サンヴィレッジでは、一人ひとりの特性を理解し、それぞれのスピードやスキルに合わせて、丁寧な支援を行っています。
スタッフは、相談があればいつでも応じ、利用者が安心して通えるよう気を配っています。
一人ひとりが自分の想いを大切に、自信を持って就職活動に向かえるよう、一緒に取り組んでいくことが目標です。
近郊の方は、ぜひ一度お問い合わせください。




