就労移行支援で就職できる人とできない人の違いとは?

就労移行支援を利用していても、なかなか就職できずに不安に感じている方は多いのではないでしょうか。
一方で、就労移行支援を利用して、スムーズに就職できる方もいます。
同じ就労移行支援を利用して、就職できる方とできない方の違いは何なのでしょうか。
この記事では、就労移行支援で就職できる方とできない方の違いを7つ挙げ、就労移行支援で就職を成功させるための6つのポイントを解説していきます。
就労移行支援で就職できる人とできない人の7つの違い
就労移行支援で就職できる人とできない人の違いは、主に以下の7つです。
違い1:自己理解・自己管理能力
就労移行支援では、「自己分析」や「心理教育」で自分の疾病や特性について学ぶ機会があります。
自分の疾病や特性について学ぶ機会を活用して、まずは自分についてしっかりと学びましょう。
自分の疾病や障がい、得意なことや苦手なことが理解できている人は、就職しやすく、就職してからも長続きしやすいです。
例えば、発達障がいを持つ方が就労移行支援の自己分析を通して、注意力が散漫になりやすいことや、特定の音や触覚に過敏に反応することを理解できたとします。
自分の得意・不得意が分かれば、自分にどんな仕事が合っているのか、どんな合理的配慮を求めれば気持ちよく働けるのかを分析することが可能です。
一方で、自分の障がいや得意・不得意が理解できていないと、どんな職に就いたらいいかすらわからなくなってしまいます。
また、体調や生活リズムの管理、金銭管理などもできているかどうかで、就職しやすさが違います。
就労移行支援を利用して、生活リズムを整え、体調や気分の波も小さくなっていれば、就職活動も順調に進むでしょう。
違い2:通所実績
就労移行支援を利用して就職活動をする場合、企業は就労移行支援への通所実績を見ます。
なぜなら、通所実績を見れば体調が安定しているかどうかある程度把握できるからです。
具体的には、何か月か安定して事前に決めた休み以外、毎日通えていれば、企業も安心して採用することができます。
安定して週5日通うためには、自己管理が必要不可欠です。
生活リズムや体調をセルフモニタリングして、できれば毎日記録をつける習慣をつけましょう。
就労移行支援の日報や週報もマメに書くようにして、安定した通所をすることが重要です。
違い3:コミュニケーションスキル
コミュニケーションスキルの高い人ほど、就職しやすくなります。
面接で自信を持って話せるようになるだけでなく、就職した後にも社内の人とのコミュニケーションは大切だからです。
特に、何でも一人で抱え込まず、相談したり協力したりできること、できないことはできないと断れることは、仕事を続けていく上で重要です。
就労移行支援によっては、コミュニケーションスキルを上げるプログラムを採用しているところもあります。
周りの人とうまくコミュニケーションが取れないというお悩みを持つ方も多いかもしれませんが、コミュニケーションスキルは訓練で高められるものです。
周囲の人と積極的にコミュニケーションを取ったり、コミュニケーションスキルを上げるプログラムに積極的に参加したりして、コミュニケーションスキルを上げていきましょう。
就労移行支援は練習のための場なので、ぜひコミュニケーションスキルの練習もしてみましょう。
違い4:一般常識・ビジネスマナー・PC操作などの基本的なスキル
就労するために必要なのはまず社会人として挨拶やマナーなど一般常識的なもの、社内のやり取りに必要なメール・LINE・Zoomなどのコミュニケーションツールの使い方、そして実際に業務を行うために必要な知識や技能です。
就労移行支援では、このような就労するためのスキルを上げるためのプログラムを組んでいるところが多いです。
積極的に参加して、スキルを高めましょう。
スキルが高ければ高いほど、就職できる可能性が高くなります。
一方、特に社会人としての一般常識やマナーに欠ける人は、就職が難しくなることも少なくありません。
例えば、プログラミングのスキルがいくらあっても、「横柄な態度を取る」「会話が可能なのにあいさつができない」などの基本的なことが欠如していれば、採用される可能性は低くなってしまいます。
一般常識やマナーに加えて、事務で言うとPCの基本的なスキルやofficeを扱えることが必要になります。
このようなスキルをできるだけ高めておくことが、就職できる近道です。
違い5:就職の希望条件・希望職種
就職には、企業と自分との間で条件面で合意できることが必要です。
就職できない人は、企業への希望条件が多かったり、希望職種の幅が狭かったりする場合があります。
具体的には、自分の能力以上の好待遇を求めていたり、自由すぎるフレックスタイムを求めたり、また当日欠勤を認めてほしいなどの場合は、就職が難しくなりがちです。
また、希望職種を絞っていると、それだけ就職できる可能性も低くなってしまいます。
収入が必要であれば、自分の望む条件や待遇を妥協したり、譲歩したりすることも必要です。
支援員に相談して、条件の見直しをしてみましょう。
違い6:目標設定の明確さ
就労移行支援で就職できる人は、就職後の目標が明確になっています。
「どんな自分になりたいか」「どんな生活を送りたいか」「どんなキャリアを積みたいか」など、自分に実現できそうな明確な目標があり、それに向けて何をすればいいかがわかっていれば、就職に向けて前向きに取り組めるはずです。
具体的には、「就職して一人暮らしをする」「勤続5年以上を目指す」など、具体的な目標を設定しましょう。
目標設定が明確でない、あるいは非現実的な目標を立ててしまうと、できない自分に落ち込んだり、迷走したりしてしまい、就職には遠ざかってしまいます。
目標が明確でない人は、支援員と相談して、実現可能な目標設定をしていきましょう。
違い7:就職活動への情熱と行動力
就労移行支援は、就職活動をサポートしてくれる場所です。
就職活動は、基本的に自分でしなければなりません。
支援員は、ハローワークの障がい者窓口を紹介してくれたり、合同面接会に同行してくれたり、支援はしてくれますが、主役はあくまで自分です。
どれだけ積極的に就職活動をするかで、就職できるかどうかが決まってきます。
「どうしても就職したい」という情熱を持って、ハローワークに足を運ぶなど行動しましょう。
就労移行支援で就職を成功させるための6つのポイント
就労移行支援は、障がいや難病を持つ方々が就職するため重要なサービスです。
しかし、支援を受けるだけで自動的に就職が成功するわけではありません。
就労移行支援で就職を成功させるためのポイントは以下の6つです。
ポイント1:自分の強みや特性、配慮事項を見つめ直す
就労移行支援で就職を成功させるためには、徹底的な自己理解が必要です。
企業にアピールできる自分の強み、障がいや疾病による特性、障がい者雇用で働くためには、どういった配慮をして欲しいのか、ということも把握しておく必要があります。
実際に、自分の障害特性として「長時間一つのことに没頭し、クオリティの高い成果物をあげることができる」という強みがある場合、プログラミングなどの一人で集中できる作業を組み合わせれば強みを発揮できることがあります。
自分だけで客観的に自分を捉え直すのは難しいため、就労移行支援のプログラムを利用したり、支援員と話し合ったりして、自己理解を深めていきましょう。
ポイント2:自己管理を行い、継続して通所できるようにする
就労移行支援から就職する場合、企業はどれだけ安定して継続通所できているのかを見ます。
それが、就職してから長く働き続けられるかどうかの指標になるからです。
したがって、セルフモニタリングをして体調や生活リズムの自己管理を行い、1日ずつ増やしていくなど自分に無理のないやり方で、徐々に週5日継続して通所できるようにしましょう。
ポイント3:コミュニケーションスキルや基本的なビジネスマナーを身につける
企業が採用の際になぜ面接を行うかというと、その人の人柄を見て、自分の会社でやっていけるかどうかを見極めるためです。
面接の際に、基本的なビジネスマナーが身についていなかったり、コミュニケーションが上手く取れなかったりすると、当然マイナスイメージになってしまいます。
コミュニケーションスキルや基本的なビジネスマナーは、今回就職するためだけでなく、今後社会人として生きていくために必要なものです。
就労移行支援という社会に出る前の練習の場で、それを十分に身につけておくようにしましょう。
ポイント4:目標設定を明確にし、それに向かうスモールステップを決める
目標設定は、今の自分から見て実現可能なものにしましょう。
あまりに目標が遠いと、人はやる気を失ってしまいがちです。
「これなら手が届きそう」という明確な目標を設定したら、さらに、その目標を達成するまでに何をすればいいかをスモールステップで考えていきます。
スモールステップは、実現可能な小さな目標です。
達成するたびに、「できた!」という達成感と、「目標に近づいている」という自己効力感を得ることが可能です。
就労移行支援事業所サンヴィレッジでは、スモールステップを意識して訓練を行っています。
例えば、毎日決まった時間に通所するのが苦手な方には、まずは週1回チャレンジしてみることから挑戦していただきます。
週に1回でも「できた!」という感覚を得られればそれが自信に繋がるからです。
そして、決まった時間に通所する日数を徐々に増やしていくことで、就職に必要な週5日の通所を目指していきます。
「できた!」「目標に近づいている」という感覚は就職に前向きに取り組む力にもなり、日々頑張るエネルギーにもなるでしょう。
ポイント5:支援員と連携して就職活動をする
就職活動は、基本的に自分でするものですが、就労移行支援には支援員という力強い味方がいます。
支援員と連携して就職活動をすることで、より効果的な就職活動をすることが可能です。
例えば、履歴書や職歴書の添削指導、面接練習、合同面接会への同行、企業の面接への同席をしてもらえる場合もあります。
面接は緊張するものですが、いつも支援してくれる支援員が同席することで緊張が和らいで、いつもの自分の良さを発揮することもできます。
支援員は、就職活動のプロなので、積極的に力になってもらいましょう。
就労移行支援で就職するためには、自己理解と積極的な行動が大切!
就労移行支援で就職できない人は「自己理解と自己管理能力が十分でない」「コミュニケーションスキルや就労のためのスキルが十分でない」などの特徴が見られます。
特に障がい者雇用で就職するためには、自分の疾病や障がいの特性を十分に理解し、配慮して欲しいことをはっきりと言えることや、自分の強みを発揮できるアピールをすることが重要です。
そのため、自己理解は必要不可欠となります。
さらに、目標設定を明確にして、それに向かって一歩ずつ努力すること、就職活動に積極的に取り組むことが重要です。
一人で悩まず、支援員や他の利用者に支えてもらいながら、就職に向かって前向きに取り組んでいきましょう。
就労移行支援事業所サンヴィレッジでは、「セルフケアプログラム」という自己理解に関するプログラムを数多く実施しています。
入所した当時は「自分の強みが分からない」という方がほどんどですが、通所していくうちに「どんな仕事が自分に合っているのか?」が明確になります。
その結果、目標が明確になり就職への情熱に繋げることができるのです。
サンヴィレッジは、兵庫県神戸市に2つ、東京都文京区に1つ、埼玉県川口市に1つの拠点を持ち、「一般企業に就職したい」「自分の障がい特性に合った企業に就職したい」という方に向けて就労支援サポートを行っています。
悩んでいる方は、ぜひサンヴィレッジにご相談ください。