就労移行支援が向いていない人・合わない人の特徴は?向いてないと感じたときの選択肢を紹介

就労移行支援は、一般就労を目指す障がい者のためのサービスです。
しかし、利用頻度やサービス内容などの面から考えると、就労移行支援が向いていない・合わない方は少なからずいます。
万人に向いているとは言えないため、就労移行支援の利用を考えている方の中には「就労移行支援が自分に向いているのだろうか…..」と悩んでしまう方もいるのではないでしょうか。
この記事では、就労移行支援が向いていない・合わない人の特徴や、向いてないと感じたときの選択肢を解説します。
就労移行支援が向いていない・合わない人の特徴
就労移行支援が向いていない人・合わない人には、主に以下の5つの特徴があります。
- ・体調が安定していない人
- ・通所期間の生活費のあてがない人
- ・専門的なスキルだけを身につけたい人
- ・就職する準備が整っていて、求人紹介だけして欲しい人
- ・本気で就職する意欲が湧かない人
それぞれ詳しく見ていきましょう。
特徴1:体調が安定していない人
体調がある程度安定していて就労移行支援に通うことで生活リズムを整えていけそうな方は、週3日ほどから始めて、半年の間に週5日にしていくことも可能です。
しかし、まだ病状が悪く、継続して通うのが難しい方は就労移行支援に通うのは時期尚早と言えるでしょう。
特徴2:通所期間の生活費のあてがない人
就労移行支援に通所している期間は、収入がありません。
就労移行支援では何らかの作業をしても工賃は出ないだけでなく、通所期間はアルバイトなどで働くことも原則禁止なので、他に生活費のあてがないと通うことができません。
もしも生活費のあてとなる失業保険や傷病手当金、障がい年金、退職金などを受け取る手続きをしていない場合は手続きをして、生活費を確保してから就労移行支援に通うのが良いでしょう。
特徴3:専門的なスキルだけを身につけたい人
就労移行支援では、事業所によって支援内容は違いますが、専門的なスキルだけを学ぶ場ではありません。
生活リズムを整えるサポートやビジネスマナー・コミュニケーションを学ぶ講座なども行っています。
たとえば、サンヴィレッジでは、毎日通所することで規則正しい生活を維持するサポートや、ビジネスマナープログラム、コミュニケーションプログラムなどを行っています。
就職するために必要な基本的な知識を学ぶプログラムや訓練を実施している事業所が多いため、プログラミングやWebデザインなど、専門的なスキルだけを身につけたい方には、就労移行支援は向いていない・合わないと感じるかもしれません。
専門的なスキルだけを身につけたい方は、職業訓練校や専門学校など、特定のスキルを学べる場の方が向いています。
特徴4:就職する準備が整っていて、求人紹介だけして欲しい人
「何の支援も要らないから、求人だけ紹介して欲しい」という方にも、就労移行支援は向いていません。
就労移行支援は、就職活動とそこに至るまでをサポートする場です。
「すでに就職する準備が整っていて、あとは求人を紹介してもらって応募するだけ」という方は、ハローワークや転職エージェントなど、就職先を提案してくれる機関やサービスの方が向いています。
特徴5:本気で就職する意欲が湧かない人
「体調が安定していない」「働くことに不安がある」など理由は様々でも、本気で就職する意欲が湧かない方は、就労移行支援には向きません。
就労移行支援は、障がいや難病を抱えている方の一般就労(障がい者雇用含む)を目指すサービスです。
そのため、利用者はみんな「一般就労で働きたい」と思っている人たちです。
その中で、「できれば働きたくない」「一般就労は無理なんじゃないか」と思っている人がいたとしたら、合わないのは当然です。
本気で就職する意欲が湧かない方は、まだその段階ではないのかもしれません。
就労継続支援などの福祉就労か、デイケアや地域活動支援センターなど、もう少し負担なく過ごせる日中の活動場所を選ぶと良いでしょう。
就労移行支援が向いていない・合わないと感じた人の5つの選択肢
以上のような特徴から、どうも自分は就労移行支援には向いていない、または合わないようだと感じた方には、以下のような選択肢があります。
- ・障がい者職業センターやハローワークの支援を受ける
- ・ハローワークを利用する
- ・就労継続支援事業所を利用する
- ・転職エージェントを活用する
- ・自立訓練や病院のデイケアを利用する
- ・地域活動支援センターを利用する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
選択肢1:障がい者職業センターを利用する
障がい者職業センターは、全国の各都道府県にあり、障がい者に対する専門的な職業リハビリテーションを提供しています。
障がい者職業センターには、厚労省の研修・試験を修了した専門カウンセラーや、相談支援専門員、ジョブコーチなどが在籍しており、障がい者一人ひとりのニーズに合わせたリハビリテーションを提供してくれます。
就労移行支援とは「障がい者の就労を支援する」という目的では同じですが、就労移行支援が訓練メインのサービスであるのに対し、障がい者職業センターは相談業務がメインというイメージです。
就労移行支援とは異なるものの、「就職前・就職後に利用できる」という点では近いサービスなので、向いていないと感じた方は、就労移行支援に変わる選択肢としておすすめです。
選択肢2:ハローワークを利用する
ハローワークには、障がい者専用窓口があります。
障がい者専用窓口では、障がい者の就職に専門的な知識や経験を持った担当職員がつき、一人ひとりに適した求人を紹介してくれます。
早く就職を決めたい方は、直接ハローワークの窓口を利用すると良いでしょう。
選択肢3:就労継続支援事業所を利用する
就労継続支援事業所は、一般企業で働くのが難しい方向けの障がい福祉サービスです。
就労継続支援での仕事は福祉就労と言い、支援を受けながら仕事をします。
A型とB型があり、A型は最低賃金が出ますが、週5フルタイムで継続して働くことになるため体調が安定している必要があります。、
B型は、工賃は出ますが時給150円~500円くらいのところが多く、「仕事」というよりも「日中活動」という意味合いが強いものです。
週何日、何時間働くかは自分で決められてノルマもないため、自分のペースで働くことが可能です。
A型・B型ともに「一般就労は難しい」と感じている方におすすめのサービスです。
選択肢4:転職エージェントを活用する
就職の準備が整っている方や、求人だけ紹介して欲しい方は、転職エージェントを活用するのもひとつの方法です。
転職エージェントは数多くあり、IT系などを専門とするエージェントもあります。
専門スキルが高い方は、ハローワークよりも待遇の良い求人を見つけられるかもしれません。
また、障がい者専門の転職エージェントもあり、障がい者雇用の求人もあります。
障がい者専門の転職エージェントでは、履歴書や職歴書の書き方や面接の指導などをしてくれるところもあり、すぐに就職したい方にはおすすめの方法です。
選択肢5:自立訓練を利用する
体調が安定していない方や病状が思わしくない方は、自立訓練や病院のデイケアを利用するという選択肢もあります。
自立訓練は、障がいのある方が、自立に向けて生活能力の維持や向上を目指す場です。
食事や体調管理、金銭管理など、生活する上で必要な能力を身につけたい方や、外出の機会を増やしたい方、負担が少ないコミュニケーションを望む方におすすめです。
選択肢6:病院のデイケアを利用する
病院のデイケアは、精神障がいのある方が社会復帰や生活の安定を目的とした通所型のリハビリテーションです。
デイケアでは、作業療法士が様々な作業を通して、病状の安定を図っていきます。
たとえば、音楽を聴く、書道をする、絵を描く、体操するなどの作業があり、心理教育をやっているところも多いため、自分の病気に対して知識や理解が乏しい方にもおすすめです。
選択肢7:地域活動支援センターを利用する
地域活動支援センターは、仕事はできないけれど日中活動はできるという方におすすめです。
創作活動やパソコン教室、利用者同士の交流会、学習会、生産活動などを通して、障がいのある方が社会や地域とつながれるよう支援しています。
原則として住んでいる地域のセンターに通うことになります。
自分の好きなプログラムをやっている時だけ参加することもでき、体調の良い時だけの参加も可能です。
まだ体調は安定しないけれど、体調が良い時はできるだけ外に出て社会とつながりたいと考える方におすすめです。
就労移行支援に関するよくある質問
就労移行支援に関するよくある質問をまとめました。
就労移行支援に向いてない・合わないと感じたら通う意味はない?
「自分は就労移行支援には向いてない、合わないのでは?」と感じた方でも、実際に見学や体験入所に行ってみると、意外と「思ったよりも自分に合っているかもしれない」と思うかもしれません。
それは、就労移行支援は事業所によって支援内容や雰囲気が全く違うからです。
まずは見学や体験入所をしてみて、自分が利用する意味を考えてみるのがおすすめです。
人と関わるのが苦手な人でも利用できる?
人と関わるのが苦手な方は多いので、就労移行支援では、コミュニケーションが苦手な方向けのプログラムも用意されています。
最初は無理にグループワークやダイアログに入らなくても、個別での作業や支援を受けることも、もちろん可能です。
担当の支援員と話をすることで、少しずつ人との関わりに慣れていきましょう。
慣れてきたら、少しずつコミュニケーション能力向上のためのプログラムに参加したり、他の利用者と交流できる機会を見つけたりして、だんだんにコミュニケーションスキルをアップさせていくことができます。
たとえば、就労移行支援事業所「サンヴィレッジ」では、コミュニケーションプログラムのひとつとして、「相手の立場に立つ」というテーマを利用者と一緒に考えていきました。
このプログラムでは、様々な視点から相手の立場を考えることで、就職先でも円滑なコミュニケーションができることを目指しています。
コミュニケーションはスキルなので、練習すれば誰でも上手くできるようになります。
まずは人と話すことに慣れることから始めて、慣れてきたら少しずつ話せる人の範囲を広げていくことができるものです。
就労移行支援でコミュニケーションスキルのトレーニングを受けて少しずつコミュニケーションに慣れていきましょう。
就労移行支援はあくまで選択肢の一つ!自分に合ったサービスを選ぶことが重要!
就労移行支援は、あくまでも数ある選択肢の中の一つです。
就職するためには、どうしても就労移行支援を受けなければならないわけではありません。
たくさんある選択肢の中から、自分に合ったサービスを選ぶことが重要です。
この記事を参考にして、自分に最も合っていると思える支援を受けましょう。
就労移行支援事業所サンヴィレッジでは、コミュニケーションプログラムやビジネスマナープログラム、セルフケアプログラムなどを通して、自分を理解し就職につなげていくサポートを行っています。
就労移行支援に合う・合わないは実際に体験してみないとわからない部分があります。
まずは見学・体験利用で事業所の雰囲気に触れてみてください。
サンヴィレッジは、兵庫県神戸市に2つ、東京都文京区に1つ、埼玉県川口市に1つ拠点があります。
「就労移行支援が気になるけど、向いていないかも…」と悩んでいる方はまずはサンヴィレッジの見学・体験をご利用ください。