就労移行支援の期間はどれくらい?平均利用期間、就職までの期間、暫定期間から再利用や延長まで、徹底解説!

「就労移行支援事業所を利用してみようかな…」と考えている方で、「就労移行支援に通う期間はどのくらい?」「就職できるまでにどれくらいの期間がかかるの?」などという疑問がある方もいるのではないでしょうか。
この記事では、就労移行支援の基本的な利用期間、平均利用期間、延長や再利用の可否などについて詳しく解説していきます。
就労移行支援の基本的な利用期間はどれくらい?
就労移行支援を利用できるのは、原則として「2年間」と決められています。
これは厚労省の障害福祉サービスとして、一般就労を目指す障がい者が、2年間の間に一般就労に必要なスキルや知識、コミュニケーション能力を高めるための支援を受けるために決められたものです。
この2年間の間に、事業所が提供するさまざまなプログラムを通して、就職に向けて準備をしていきます。
プログラム内容は、社会人としての基本的なルールやマナー、自己管理、体調管理、PCスキル、コミュニケーションスキルなど、実際に働くために必要なスキルを身につけるための訓練が主です。
ただ、全ての人が2年間通わなければいけないわけではありません。
2年間きっちり通う人もいれば、半年くらいで就職が決まり卒業する方もいます。
就労移行支援の平均利用期間はどれくらい?
就労移行支援の平均利用期間は利用者の状況や目指す職種によって大きく異なります。
たとえば、就労移行支援事業所「サンヴィレッジ」の場合、利用者の約6割が1年以内に卒業し、残り4割が2年を通して訓練を受けています。
利用期間が長いから良い・悪いということはありません。
利用者ごとに支援計画が異なるため、利用期間に差があるのは当然です。
通所を開始して間もないころは生活リズムを整える段階の方も多くいるため、6か月以上の期間を経て就職される方が多いのですが、「できるだけ早く就職したい」という意欲があり、体調が安定している方は半年で就職することも十分可能です。
就職までの期間はどれくらい?
就職までの期間は、就労移行支援事業所に通っている期間と、ほぼ同じです。
多くの人が、最初の半年から1年でスキルや体調を整え、後半の半年から1年間で就職活動を行います。
プログラムの内容や、事業所の支援によっても就職までのスピードは異なります。
たとえば、事業所によっては他のプログラムを履修しないと受けられないプログラムなどがある場合があるため、訓練に一定の期間を要することがあります。
また、体力や心身の準備ができていない方が就職活動を行うことは不可能ではありませんが、準備ができてから行うに越したことはありません。
そのため、就職活動に入るまでに一定の期間がかかる場合があります。
就職活動に入るまでの期間に、自分の体調を整え、就職活動の準備を進めることが重要です。
就労移行支援の期間の延長や再利用はできる?
結論から言えば、延長はほぼ認められません。
再利用については、一度就職したものの離職してしまい、再度就労支援が必要になった場合は認められることがありますが
それ以外の状態では認められないことがほとんどです。
厚労省の調査によると、アンケートに回答した1,575自治体のうち約46%は、就労移行支援の利用の延長を行なった事例がありません。
一方で、「2年間を超えて更新を行っている」という自治体は54%と過半数上ります。
その理由には「標準支援期間内に終了したため」「本人からの申請がなかったため」などがありますが、一部自治体では「自治体の運用ルールで延長を認めていない」という回答もありました。
一方で、「2年間を超えて更新を行っている」という自治体は、54%と過半数上ります。
※引用:厚生労働省(障害福祉課調べ)
ただし「2年間を超えて更新を行っている」と回答した自治体でも、利用者ごとの状況によっては認めないケースがあります。
自分の住んでいる自治体の判断については障害福祉課に相談するか、支援員に確認しましょう。
しかし、自治体の判断によっては稀に認められるケースがあります。
条件や利用できる期間、手続き方法は以下の通りです。
期間延長が認められる可能性があるケース
延長の申請が通るためには、最低限の条件が必要です。
それは、以下の4つです。
- 職場実習を行っている最中である
- 就職活動中で、企業から内定がある
- 入院などで事業所を利用できる日数が少なかった
- 環境によるアクシデントから利用制限があった(例えばコロナ禍など)
上記4つのうち、どれかにあてはまれば、延長できる場合があります。
延長を希望する方は、「就職活動が順調に進んでいる」か、「本人の意志によらず、利用に制限があった」かのどちらかに該当する方がほとんどです。
また延長申請が通りやすい自治体と、一切通らない自治体があり、同じ申請内容でも自治体によって差はありますが、多くの自治体は延長を認めないことが多いです。
延長できる期間
延長できる期間は、最大1年間です。
ただしごく稀に、その間一所懸命就職活動しても就職できず、もう1年延長される方もいます。
延長は自治体の判断で決まりますが、「延長したら就職がかなう可能性が高い」と判断される必要があります。
延長申請書を作成する支援員には今の状況をしっかりと把握してもらうことが重要です。
利用期間を延長するときの申請方法
期間の延長は、個人で申請するのではなく、事業所の支援員に相談して、事業所の方から延長申請書を自治体に提出してもらいます。
延長申請書は、事業所の支援員が作成します。
延長申請書を提出したあと、自治体で審査をして、審査が通れば延長ができることになるという流れです。
就労移行支援の再利用が認められる可能性があるケース
就労移行支援の再利用も、ほぼ認めない自治体がほとんどです。
コロナ禍においては、国民の生活や働き方が大きく変わっわったため、今までの訓練では対応できない場合も想定されるとして、認められることもあったようです。
就労移行支援を利用して一度就職したものの離職してしまい、再度就労支援が必要になった場合などは、認められる場合があるようです。
就労移行支援を再利用した後の利用期間
基本的には2年間利用できるという場合が多いです。
ただし、自治体の判断によるため、必ずしも2年間丸々利用できるとは限りません。
就労移行支援を再利用するための条件・手続き
決まった条件や基準は特にありません。
すべて自治体の判断に任されます。
ただ、先ほど挙げた、コロナ禍が理由の場合や、一度就職したが離職してしまった場合などが条件になる場合が多いです。
再利用を希望する場合は、まず事業所の支援員に相談し、市区町村の障害福祉課に相談してみましょう。
就労移行支援における暫定期間・モニタリング期間とは?
就労移行支援事業所には、暫定期間、モニタリング期間と呼ばれる期間があります。
この2つの期間について詳しく見ていきましょう。
暫定期間とは?
就労移行支援における暫定期間とは、正しくは「暫定支給決定期間」と言います。
これは、就労移行支援事業所を利用することが認められると、国から届く障害福祉サービス受給者証に書かれている期間で、支給決定を受けてから最大2ヶ月間です。
暫定支給決定期間は、利用者が「この事業所は自分に合っているか」「このままその事業所を利用し続けたいか」「十分な支援を受けられると思うか」を判断する期間であり、事業所にとっては、「その利用者がこの事業所に通うのが適切であるか」「どのような支援を行うべきか」を判断する期間ための期間になります。
そのため、2ヶ月の間に何か問題があった場合、支給(サービス利用)が取り消される場合もあります。
具体的には、事業所が「この利用者にはこのプログラムは適していない」と判断した場合や、逆に利用者が「この事業所には通い続けられない」と感じた場合などです。
例えば、体調が安定せず週2日しか通えなかったため、暫定支給決定期間内に就労移行支援の利用を中止したという場合は、
体調を整えた後に、再度就労移行支援の利用申請が可能になることが多いようです。
モニタリング期間とは?
モニタリング期間とは、就労移行支援事業所に通うためのサービス利用手続きから、就労移行支援事業所を卒業するまでの全工程で行われる期間です。
モニタリングとは、相談支援事業所の相談支援専門員が定期的に就労移行支援事業所を訪れ、利用者と面談することで、個別支援計画に基づいてサービスの提供状況を把握するものです。
支援の効果を評価し、課題を整理し、必要に応じて個別支援計画を見直していきます。
モニタリングは就労移行支援の利用者が事業所で訓練を受けている期間中、定期的に継続して行われます。
モニタリングの期間は対象者によるものの平均3ヶ月に一度
モニタリングの期間は、利用者によりますが、平均的には3ヶ月に一度の頻度で行われます。
就労移行支援事業所を利用し始めた最初の頃は、支援状況を細かくチェックするために、1ヶ月に一度行われることもあります。
逆に、安定的に通所利用できるようになれば、6ヶ月に一度など間隔が空く場合もあるようです。
また、利用者が個別支援計画の変更を希望する場合や、支援内容に問題があると感じた場合、そのタイミングでモニタリングが行われることもあります。
モニタリングの際には、支援員や相談支援専門員が、利用者の要望を受けて、支援計画を修正したり、より適切な支援方法を提案することもあります。
実際は延長できないケースがほとんど!最長2年間で就職を目指そう!
就労移行支援を使えるのは、原則としては2年間です。
2年間のうちであれば、数ヶ月で一度辞めて、数年置いてから残りの期間を利用するということも可能な自治体もあるようですが
利用していた期間に関わらず1度利用した場合、2回目の利用は再利用として申請が必要な自治体も多くあります。
延長や再利用を認めない自治体もあれば、利用者の状況によっては通る自治体もあります。
しかし、基本的には延長や再利用ができないと考え、
長く働くことができる就職を目指せる支援を受けられる就労移行支援事業所を選びましょう。
就労移行支援事業所「サンヴィレッジ」では、一人ひとりに合わせた支援を行っています。
「まずは生活リズムを整えながらフルタイムを目指したい」「すぐにでも働き始めたい」など、利用者によって目指すところは様々です。
希望に寄り添いながら、特性や体力、体調などを鑑みた上で支援を進めていくのがサンヴィレッジの基本的なスタンスです。
サンヴィレッジは、兵庫県神戸市に2つ、東京都文京区に1つ、埼玉県川口市に1つ事業所があります。
「就労移行支援について詳しく知りたい」という方は、ぜひ一度お問い合わせください。