【発達障害の方へ】就労移行支援で得意を活かせる職場を見つけよう!受けられる支援や就職事例、事業所の選び方まで徹底解説!

発達障害をお持ちの方の中には、「発達障害でも就労移行支援を利用できる?」「実際どういうサポートを受けられるの?」と気になっている方は多いのではないでしょうか。
現在は、発達障害に特化した就労移行支援事業所も多くあるほど、発達障害で就労移行支援事業所を利用されている方は多くいらっしゃいます。
この記事では、発達障害の方が就労移行支援事業所で受けられるサポート、就労移行支援を利用する方法、自分に合った事業所を選ぶポイントを詳しく解説します。
発達障害と診断された人は就労移行支援を利用できるの?
発達障害の方は、その診断だけでは障害者手帳が申請できない方もいるかもしれません。
しかし、障害者手帳がなくても、医師の診断書や意見書(主治医による「この人には就労移行支援の利用が必要」という内容)があれば、就労移行支援を利用できます。
また、自立支援医療受給者証も申請書類として有効です。
就労移行支援は、一般就労(障がい者雇用も含む)を希望する方を支援するサービスなので、就労移行支援以外の福祉就労(就労継続支援)などを希望する方は、就労移行支援は利用できません。
必要書類が揃って、障害福祉サービス受給者証を交付されれば、就労移行支援を利用できることになります。
発達障害の方が就労移行支援事業所で受けられる支援
発達障害の方への就労移行支援では、主に就労するためのトレーニングと、安定した生活を送る基盤を作るためのトレーニングを並行して行います。
安定した日常生活を送ることは、就労の前提条件です。
個々のニーズに応じて、身だしなみの整え方から、スケジュール管理の方法、体調のモニタリングとマネジメント、過ごしやすい生活環境作りなど、様々なサポートをしていきます。
また、様々な作業や体験を通して、ビジネスマナーや社会的なスキルについて学びを深めたり、コミュニケーションスキルを高めたりしながら、基礎的または専門的なスキルを身につけて、就職活動を円滑に進めるための支援を行います。
発達障害の方が就労移行支援で受けられる支援は事業所によって異なりますが、主に以下のようなものが挙げられます。
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- メンタル面や生活面での相談・支援
- SSTなどの社会的スキルの習得
- タスク管理・時間管理の対策
- セルフモニタリングとセルフマネジメントの方法
- コミュニケーションスキルの習得
- 自己分析・自己理解・障害特性の理解
- 感覚過敏・感覚鈍麻に対する対策
- ストレス対処法
- 基礎的なビジネスマナーの習得
- 基礎的なPCスキルの習得
- 専門スキルの習得
- 職場体験・インターン
- 履歴書・職務経歴書の作成サポート
- 面接練習
- ハローワーク・合同面接会への同行
特に、自分の障害特性や個性、強み・弱み、希望する合理的配慮などについて理解することや、苦手な方が多い自己管理の方法を学ぶことは発達障害の方にとって有意義なものになるでしょう。
他にも、SST(ソーシャルスキルトレーニング)といって、社会の一員として働くときに必要なルールやマナー、伝え方や訊き方・断り方・雑談の仕方など、コミュニケーションスキルを学ぶことも可能です。
発達障害の方が就労移行支援を利用する方法
発達障害の方が就労移行支援を利用するには、まず自分が行きたい就労移行支援事業所を探すことから始めます。
決まったら、障害福祉サービス受給者証の申請をし、契約手続きを行いましょう。
発達障害の方が就労移行支援を利用する方法は以下の通りです。
STEP1:就労移行支援事業所を探す
まず、就労移行支援事業所を探すところから始めます。
就労移行支援は、事業所ごとに実施しているプログラムが大きく違うため、自分に合った事業所を選ぶことが重要です。
そのため、情報収集してある程度絞ったら、必ず見学や体験入所に行きましょう。
事業所の情報収集をする
まずネットで「就労移行支援 住んでいる地域」などで検索してみましょう。
精神障害可となっている多くの事業所は、発達障害の方の利用が可能です。
就労移行支援は通うことに意味があるため、あまり遠い地域の事業所は候補に入れない方が良いでしょう。
自宅から離れていても、通勤訓練として「働く可能性の高いエリア」で探すのもおススメです。
見学・体験利用をする
地域によって事業所の数は違いますが、見学や体験入所に行ってみましょう。
ネットでの情報だけではわからないことが、実際に行ってみて、肌で感じることで、わかることもたくさんあります。
特に事業所の雰囲気や騒がしさ、支援員の対応や支援員との相性などは、注意深く観察しましょう。
そして、「自分はここでやっていけそうだ」と感じたら、入所を決めます。
STEP2:障害福祉サービス受給者証の申請をする
利用したい事業所が決まったら、障害福祉サービス受給者証の申請をします。
申請
まず、自分が住んでいる自治体の障害福祉窓口や、相談支援事業所に、「就労移行支援を利用したい」旨を伝えます。
そして、申請に必要な書類を揃えます。
申請に必要な書類は、以下の3つです。
- 障害者手帳または医師の意見書
- マイナンバーカード
- 障害福祉サービス利用申請書(窓口でもらえる)
上記の書類と印鑑を持って、自治体の障害福祉課などへ行き申請します。
認定調査・審査
申請すると、就労移行支援を利用することが本人に適しているかを確認するため、自治体の職員によるヒアリングが行われます。
ヒアリングは、主に生活状況などを訊かれ、本人が就労移行支援に通える状態かどうか見極める工程です。
ヒアリングに基づいて審査が行われ、就労移行支援の利用が適切と認められれば障害福祉サービス受給者証が発行されます。
STEP3:契約・利用開始手続きをする
障害福祉サービスの利用が決定すると、支給決定通知書と一緒に障害福祉サービス受給者証が届きます。
障害福祉サービス受給者証が届いたら、受給者証と印鑑を持って、決めた事業所に行き、利用契約手続きをします。
契約手続きが済んだら、利用開始です。
発達障害の方が自分に合った就労移行支援を選ぶ5つのポイント
発達障害の方が自分に合った就労移行支援事業所を選ぶ際には、以下の5つのポイントを押さえると良いでしょう。
- 発達障害を持つ人の受け入れ実績がある
- 自己理解やSSTに関するプログラムがある
- 得意を伸ばせるプログラムがある
- 感覚過敏でも過ごしやすい環境が整っている
- 就職後も手厚いサポートが受けられる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ポイント1:発達障害を持つ人の受け入れ実績がある
発達障害に特化した就労移行支援事業所でなくても、発達障害の方を受け入れた実績がある事業所であれば、適切な対応が期待できます。
発達障害は、それぞれの個性や特性が強いため、個々の状況やペースやニーズに応じた個別的な支援が必要です。
一人ひとりの特性やペース、ニーズを理解し、対応してくれる事業所であれば、安心して通うことができるでしょう。
ポイント2:自己理解やSSTに関するプログラムがある
発達障害の方が長く安定して働き続けるためには、自分の個性や特性をしっかり理解し、活かせる仕事を見つけることが重要です。
また、「仕事をする」ということに関して、社会的なルールやマナー、社会の暗黙の了解を理解していること、敬語や挨拶などコミュニケーションの基本作法が身についていることなどが必要になります。
そのため、自己理解や障害理解、SSTやコミュニケーションスキルのプログラムが充実している事業所を選ぶと良いでしょう。
ポイント3:得意を伸ばせるプログラムがある
発達障害の方は、得意・不得意がはっきりしている方が少なくありません。
不得意な部分が目立ってしまいがちですが、必ず得意とするものを持っています。
たとえば、「臨機応変な対応は苦手だが、長時間同じ作業に集中して取り組める」「単純作業は苦手だが、アイデア出しは得意」など、人それぞれ特性が異なります。
発達障害の方が就職し、継続して働いていくために重要なのは「得意」を活かせる仕事に就くことです。
得意を見つけて伸ばしていけるプログラムがある就労移行支援は発達障害に適していると言えるでしょう。
ポイント4:感覚過敏でも過ごしやすい環境が整っている
発達障害の方の中には、聴覚過敏や視覚過敏など、感覚過敏を持っている方がいます。
感覚過敏を持つ方は、なるべく静かな事業所や、シンプルなインテリアの事業所を選ぶと良いでしょう。
また、ノイズキャンセリングイヤホンの着用や、サングラスの着用を認めている事業所もあります。
感覚過敏を持つ方は、見学や体験入所に行って、自分が過ごしやすい環境かどうか、よく確かめてみることをおすすめします。
ポイント5:就職後も手厚いサポートが受けられる
発達障害の方に限らず、就職しただけで終わりではありません。
就労移行支援はあくまで準備期間であって、就職がスタートなのです。
そのため、就職した後も手厚いサポートを受けられる事業所を選ぶと良いでしょう。
就労移行支援には、「就労定着支援」といって、就職後半年間サポートを受けられる制度があります。
この期間は、就労移行支援の支援員が定期的に面談し、困りごとや要望などがあれば、職場との橋渡し役をしてくれます。
発達障害の方が長く安定して働き続けるためには、定着支援が欠かせません。
コミュニケーションでの困りごと、体調面での不安などを、信頼できる支援員に定期的に相談できる事業所を選びましょう。
サンヴィレッジを利用して就職に成功した事例
サンヴィレッジを利用して就職に成功した事例を3つご紹介します。
「自分に合った会社で働くことができた」
Aさんは、手先が器用で、コツコツと単調な作業に集中することが得意です。
サンヴィレッジでの作業訓練を通して、「指示通り正確に行うこと」や「時間を意識すること」ができるようになり、以前よりも効率的に作業できるようになりました。
また、週3日の通所から始めて、支援員と相談しながらだんだん慣らしていき、週5~6日通えるようになったことで、体力もつき自信が持てるように。
職場体験実習を経て、雰囲気の良いシール貼りの作業をする会社に就職し、自分の強みを活かして楽しく働いています。
「苦手なことをできるに変えたい」
Bさんは、サンヴィレッジを利用する前は、人間関係が苦手でした。
しかし、サンヴィレッジに通所しながら、様々なプログラムや訓練に取り組む中で、人間関係の重要さを再確認。
人と接し、職場体験実習で社会を知ることで、自分ができることできないことを知り、自己理解ができたそうです。
何事も一所懸命に努力して取り組むこと、失敗しても勉強だと思って前向きに取り組むことで、苦手なことでも「できる」に変えていくことができると言います。
苦手な人間関係を「人と関わることで、自分も成長する」と思い、接客業に就職しました。
「懸命に頑張った実習先でチャンスを掴んだ」
コロナ禍でも在宅訓練で生活リズムを安定させていたCさんは、最初、パソコンを使った仕事がしたいと思っていました。
しかし、パソコン操作に不安もあり、支援員と相談する中で、パソコンを使わない作業系の仕事も考えるようになりました。
すると、不安が減り、訓練に積極的に取り組むことができるようになったようです。
職場体験実習を懸命に頑張り、惣菜パンの製造の仕事に就職できました。
サンヴィレッジでの作業訓練が仕事に存分に活きている事例です。
就労移行支援なら、発達障害があっても自分にぴったりの職場を見つけられる!
発達障害の方は、得意不得意の差が大きい方が多いですが、就労移行支援で自己理解を深め、得意なことを伸ばすことで、それを活かせる自分にぴったりの職場を見つけられます。
サンヴィレッジでは、発達障害の方にも対応したプログラムを多数用意しています。
事業所は、神戸市中央区に2つ、埼玉県川口市に1つ、東京都文京区に1つあります。
発達障害の方で「就労移行支援を利用して就職したい」と考えている方は、ぜひ一度見学・体験をして事業所の雰囲気を体感してみてください。