就労移行支援は延長可能?条件や申請方法、再利用について徹底解説
就労移行支援のサービスを利用できる期間は、原則として2年間と定められています。
しかし、「もし2年の間に就職できなかったらどうなるのか?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。
就職に自信がない方ほど、その不安が大きいと言えます。
この記事では、就労移行支援は延長することが可能なのか、延長できる条件や他の選択肢などについて解説していきます。
就労移行支援は延長できる?

就職ができないまま2年過ぎてしまった場合、どうするかは人それぞれです。
延長を希望する場合、特例としてまれに延長が認められるケースもありますが、原則は2年間までです。
また、延長が認められるかどうかは自治体の判断によるため、申請しても必ず認められるとは限りません。
就労移行支援の延長が認められる条件

就労移行支援の利用期間の延長が認められる可能性のある条件は、以下の5つです。
- 就職の見込みがある場合
- 職場実習中の場合
- 採用内定中の場合
- 就職するためにはもう少し訓練が必要と認められる場合
- 体調不良などの理由で通所ができなかった場合
それぞれ詳しく見ていきましょう。
就職の見込みがある場合
就職活動が順調に進んでいて、いくつか書類選考に通っている場合、あるいは複数の企業に書類を送付済みの場合など、就職の見込みがあると判断されれば、就職が決まるまで、期間延長が認められるケースがあります。
職場実習中の場合
職場実習に通っている期間中に、就労移行支援の期限が過ぎてしまう場合は、延長が認められるケースが多いです。
職場実習を通して、就職が決まる場合もあるので、職場実習中の場合は、就職の見込みがあると判断される可能性が高いからです。
採用内定中の場合
就職活動をして、採用が内定している場合、仕事開始までの期間、就労移行支援の期間の延長が認められるケースもあります。
採用が内定していても、仕事開始まで間がある場合、就労移行支援をやめてしまうと、生活のリズムが崩れたり、体力が落ちたりして、スムーズに仕事を始められない可能性があるからです。
また、仕事を開始してからも、就労移行支援のスタッフに定着支援を受けることができるため、継続して利用することが望ましいことも理由の一つです。
就職するためにはもう少し訓練が必要と認められる場合
一方で、就職の見込みはなくても、就職するためにはもう少し訓練が必要であると判断された場合、利用期間延長が認められるケースもあります。
就労移行支援は基本的に「単独での就労が難しい人」が対象のため、現時点で一人で就職するのが難しい場合は、やめずに訓練を続ける必要があります。
本人に就労移行支援での訓練を続ける意思があり、実績としても真面目に取り組んでいることがわかる場合は、自治体の判断により延長が認められる場合が多いです。
体調不良などの理由で通所ができなかった場合
新型コロナ以降、感染症や体調不良などの理由で、一定期間通所ができなかった場合も、延長が認められるケースがあります。
この場合も、休んだ期間だけではなく、最大1年間の延長を申請できます。
※上記5項目に該当しても、延長が認められないケースがあります。
就労移行支援の期間延長制度の申請の流れ

就労移行支援の期間延長制度を利用するには、あらかじめ手続きの流れを理解しておくと安心です。
具体的には、以下のステップに沿って進めていきます。
| 申請の流れ | 詳細 |
|---|---|
| 1:事業所に相談する | まずは事業所のスタッフに相談し、利用期間を延長したい旨を伝え、同意を得る |
| 2:延長申請書を作成する | スタッフと相談しながら延長申請書を作成する |
| 3:自治体に延長申請書を提出する | 居住地の市区町村の障害福祉課などに申請書を提出しに行く |
| 4:自治体による延長認定の調査をする | 自治体が延長認定審査会にかけ、審査する |
| 5:延長が認められれば支給決定 | 審査で延長の妥当性が認められれば支給が決定される |
就労移行支援は期間がリセットされれば3年以上利用できる?

就労移行支援の期間は、特例として、2年間の利用期間がリセットされ、再利用できるケースもあります。
ただし、リセットが可能かどうかは、自治体の判断によるため、必ずしもできるとは限りません。
再利用できる可能性のあるケース
利用期間がリセットされて、再利用ができる可能性が高いケースは、主に以下の4つです。
1:就労移行支援を利用して就職したが、早期離職してしまったため、再度支援が必要なケース
就労移行支援を利用して、一度は就職したものの、早期(1年以内など)に離職してしまったため、再び支援が必要になるケースです。
もう一度初めから就職活動をしないといけないため、2年間の利用期限いっぱいまで利用していたとしても、リセットして再利用する必要があります。
この場合は、辞めてしまった理由をもう一度支援員とともに分析し、改善できるような支援を受けることが大切です。
2:症状が悪化したり、家庭の事情があって利用を中断したが、再就職のための期間が足りないケース
利用当初はある程度体調が良かったとしても、頑張り過ぎて症状が悪化し、利用を中断してしまう人もいます。
また、子どもが病気になったり、親の介護が入ったりして、利用を中断しなければならなくなるというケースもあります。
このようなケースでは、症状が改善したり、家庭の事情が改善されれば、再利用できますが、その時点で利用期限が迫っている場合は、リセットされる可能性が高いです。
就労移行支援は「一般就労を目指すための支援」なので、再就職までに十分な就職活動ができない場合は、延長や再利用が認められます。
3:求人の激減や、環境上の理由でやむなく期間を消費してしまい、残りの利用期間が少ないケース
コロナ禍の影響で、求人が激減した職種や業種もあります。
求人が激減した分野に就職したかったのに、頑張ってもできなかった場合、残りの利用期間が少なくても、延長や、リセットしての再利用が認められるケースもあります。
また、災害など環境上の理由で、スムーズに就職活動を進めることができなかった場合も、本人の努力の問題ではないとされ、延長や再利用が可能と判断されるケースが多いです。
就労移行支援を延長するか悩んだ時はどうする?

2年間就労移行支援を利用して訓練や就職活動を続けても就職が決まらず、延長するか悩むときには、以下の複数の選択肢を検討できます。
- 就職できなかった理由(もしくは早期退職した理由)を分析する
- 就労移行支援事業所のスタッフに相談する
- 他の就労支援(就労継続支援など)も検討する
- 転職エージェントやハローワークが活用できないかどうか検討する
4つの選択肢を詳しく確認しましょう。
就職できなかった理由(もしくは早期退職した理由)を分析する
まず、自分がなぜ就職できなかったのか、もしくは、就職しても早期退職してしまったのか、その理由を詳しく分析しましょう。
たとえば、以下のような問題点や改善点が挙げられます。
- 履歴書や職歴書に問題があった
- 面接で質問にきちんと答えられなかった
- 自分の強みをアピールできなかった
- 配慮事項を上司や同僚にしっかり伝えられなかった
- 職場の人とのコミュニケーションに困難があった
これらを深く分析すると、次の就職への課題が見えてきます。
この作業は自分の「できなかった」部分を深掘りしていくため、つらい思いをすることもあるので、就労移行支援のスタッフと一緒に進めると良いでしょう。
就労移行支援事業所のスタッフに相談する
就職できなかった理由の分析も含めて、今後どうするかについても、就労移行支援事業所の信頼できるスタッフに相談してみましょう。
就労移行支援事業所のスタッフは、たくさんの利用者を見ているため、自分では思いつかなかった視点を示唆してくれたり、的確なアドバイスをくれます。
就労移行支援を延長して続けるかどうか、それとも他の選択肢を検討するのか、スタッフと相談して、より自分に合った選択肢を選ぶと良いでしょう。
他の就労支援(就労継続支援など)も検討する
就職できなかったということは、今の自分がまだ一般就労には向いていない、ということかもしれません。
就職できなかった理由を分析した上で、まだ一般就労は早いのかもしれないと思ったら、福祉就労という選択肢もあります。
また、就労移行支援でなくても、障害者職業センターや、障害者就業・生活センターなど、他の福祉サービスで訓練を受けるという手もあります。
以下に、就労移行支援以外の障害福祉サービスを紹介します。
| 他の就労支援の種類 | 詳細 |
|---|---|
| 就労継続支援A型 | ・雇用契約を結び、最低賃金以上の給料が支払われる ・勤務形態は週5日フルタイムや短時間勤務など、事業所ごとに異なる |
| 就労継続支援B型 | ・雇用契約を結ばずに、作業した分の工賃がもらえる ・自分の自由なシフトで通えるところが多い |
| 障害者職業センター | 障がいを持つ人を対象に、就職に向けての相談や職業能力の評価などの就職前の支援から、就職後に職場に適応するための支援まで受けられる |
| 障害者就業・生活センター | 障がいを持つ人の地域での自立に向けて、多様な関係機関と連携し、就業と生活面の一体的な支援を行う |
転職エージェントやハローワークが活用できないかどうか検討する
就職活動をするなら、転職エージェントやハローワークを活用する手もあります。
ハローワークや地域の仕事センターには、障がい者専用窓口もあり、就労移行支援のスタッフに頼めば、同行してくれます。
転職エージェントも、障がい者専用のエージェントもあり、障がい者雇用を検索することも可能です。
職業訓練は十分で、あとはどこかに就職さえ決まればOKという状態の方なら、無理に就労移行支援を延長しなくても、転職エージェントやハローワークを頼りにすれば、就職できる可能性もあります。
就労移行支援のスタッフと相談して、転職エージェントやハローワークが活用できないかどうかも検討してみると良いでしょう。
就労実績の高いサンヴィレッジで、延長なしで就職しよう

ここまで、就労移行支援の延長や再利用について解説してきましたが、本来は延長に頼らず、2年間で自信を持って卒業するのが理想です。
兵庫・東京・埼玉に拠点を構える就労移行支援事業所サンヴィレッジでは、一人ひとりに寄り添いながら、訓練内容から就職までを丁寧にプランニングしています。
就職に必要なのは、まず健康管理や生活習慣の安定、さらに対人スキルや基本的な労働習慣を身につけること。
その土台が整ってこそ、PCスキルや資格取得の学習が活かされます。
サンヴィレッジでは、利用者の希望やスキル、ペースに合わせて個別支援計画を立て、就職まで伴走いたします。
企業との独自ネットワークや卒業生を通じたオファーもあり、豊富な就職実績を誇っています。
さらに、ハローワークには掲載されない独自求人に出会えるチャンスもあります。
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